ブラジルサッカーとブラジル人選手の出身地

山岡淳一郎氏の「マリオネット〜プロサッカー・アウトロー物語〜」（文芸春秋社刊）を読んだ。
読売クラブの創生期からヴェルディ川崎、浦和レッズ、そして再びヴェルディとプロサッカークラブを裏方として支えたアウトロー（選手出身のエリートと対比した意味の）である、佐藤英男（セニョール佐藤）氏を主人公とした、クラブを裏方の目から見た、なかなかに面白い本なのだが、本題とはちょっと関係なく、ブラジル人の出身州への郷土愛みたいなことに少し触れられていたのにちょっと興味が湧いた。
民族性が違うっていうほどの差はないだろうけど、ちょっと意識の差みたいなものが感じられて面白い。
我々が一口にブラジルというと、うまいサッカー選手が湧き出してくる魔法の泉のように思ってしまうけれど、そこにある本当の姿が見えたら面白いかなと思って調べてみた。

	略	州名	有力クラブ
	RJ	リオデジェネイロ	フラメンゴ フルミネンセ バスコ・ダ・ガマ ボタフォゴ
	SP	サンパウロ	パルメイラス サンパウロFC コリンチャンス サントスFC
	MG	ミナス・ジェライス	アトレチコ・ミネイロ クルゼイロ
	RS	リオ・グランデ・ ド・スル	グレミオ インテルナシオナル
	PR	バラナ	コリチーバFC
	PE	ペルナンブッコ	スポルト・レシフェ
	BA	バイーア	バイーア
	GO	ゴイアス	ゴイアス
	..more

ブラジルでサッカーの強いクラブを持っているのは大体この8州らしい。確かに名前を聞いたことのあるクラブが並ぶ。特にその中でもリオデジャネイロとサンパウロの8クラブが名門とされている。
リオデジャネイロ出身者（カリオカ）とサンパウロ出身者（パウリスタ）は強烈な対抗心を持っていると言われているけれども、さらにそれぞれの州内の他クラブサポとの間のライバル心も強烈なものらしい。

で、リオデジャネイロ出身の選手を何人かあげてみる。
エジムンド、マルセリーニョ・カリオカと才能はもの凄いけれども、かなり個性の強そうな選手が多い。札幌のマクサンドロ、仙台のマルコス、そしてレッズのエメルソンもリオ出身である。
先日発表されたブラジル代表メンバーを見ると、サンパウロ出身が8人に対して、リオ出身はロナウド1人しかいない。あちこちから「必要だ」と言われているリオ出身のロマーリオはメンバーに入っていない。
この辺は「勝負にこだわる」と定評のあるフェリペ監督の好みなのかも。あるいは監督がサンパウロ人脈の人なのか。
ルイス・フラビオがフィジコに就任してから獲得したアジエル、ドニゼッチ、アドリアーノは全員（トゥットは違うが）サンパウロ出身。フラビオ自身もサンパウロ出身で、こういうのはやはり人脈だろう。
さて、では例えばG大阪。リオ出身のマルセリーニョと、サンパウロ出身のマグロンは対抗意識があったりしないのだろうか？とは言っても経歴が段違いか。